DISCODE reverseの優秀さは、実は1つの尺度で示すことができるものではありません。
尺度の1つとして、ゲームとしての優秀性をあげることができます。
そもそもゲームって何なのよ §
本質的な意味でゲームとは、約束事に拘束された世界です。
求める結果に対してまっすぐ進めないように拘束した上で、ゴールにたどり着くことを要求します。
ゲームと似て非なるものに、シミュレーション(疑似体験)があります。シミュレーションは、何らかの事象がまるでそこに存在するかのように見せかけます。その結果、事象が要求する制約により、求める結果に対してまっすぐ進めないことがあります。
この2つは同じではありません。
シミュレーションにおける制約が、ある状況が存在することを見せかけるために課せられるのに対して、ゲームにおける制約は、プレイヤーに対する挑戦としてそこに置かれます。
良いゲームとは §
簡単には乗り越えることができないが、正しく攻略することによって乗り越えられるという絶妙な制約を持つものを言います。
ゲームの約束事の二重性 §
多くの場合、良いゲームは約束事に二重構造を忍ばせます。
最初に提示される見せかけの約束事と、ゲームのシステムを貫く真の約束事が食い違っているということです。
つまり、見せかけの約束事に沿ってプレイするとなかなかクリアできないが、真の約束事に気付くと急にゲームを進行させることが容易になるわけです。
ゲームの攻略とは、ある意味で、真の約束事を見出す行為に他ならないと言えます。
真の約束事を見出す方法 §
真の約束事を見出すためには、より深く正しくゲームを知る必要があります。
見せかけのトリックを見破るためには、具体的な数字を調べ上げることも重要です。
しかし、数字を調べたり、あらゆる選択肢を試してみるというのは、ゲーム攻略の前半戦に過ぎません。
良いゲームとは、それだけでは征服できないものです。
そして、良いゲームは、さりげないヒントをあちこちに忍ばせます。
蓄積した情報に加えてヒントが揃った上で、それに加えて推理力と直感を総動員することで、初めてゲームに秘められた真の約束事が明らかになります。
凶悪にして従順 §
良いゲームとは、何をすればどういう結末になるのかが容易に予測が付かないものです。その点で、それは凶悪であると言えます。
一方で、良いゲームは過剰なランダム性を持たず、ある程度の手間費やせば、確実に同じ結果を再現できねばなりません。いちど乗りこなしてしまえば、何回でも同じ結果を出せるのが理想です。反射神経に依存するゲームの場合は、まぐれで出した凄い成果はあり得ますが、そうではないゲームならば結果に確実性がなければなりません。
確実性があるということは、それが攻略可能であるという担保になり、かつ、真の約束事によって支配される世界であるという証明となります。
このゲームは…… §
まさに凶悪にして従順です。
多くのイベントや行為の因果関係は、非常に把握しにくいと言えます。そもそも、どうすれば特定の結果を引き出せるかもなかなか分かりません。つまり凶悪です。
しかし、ある手順を確立してしまうと、それは確実に実行可能です。とても従順になります。
その事実は、隠された真の約束事の存在を示唆し、攻略に費やす手間が無駄ではないと確信させてくれます。
であるからこそ、これはゲーマー好みのゲームであると言うことができます。
シナリオやエロについて一切触れることなく、ゲームにのみ着目してそれが良いゲームであると言いうるわけです。